623のnovelブログ

小説を主に投稿してきます

表題未決定(3)

日々ブログで書いていたもの(3つ目)

時間は少し戻る。
15時40分ころ。
「嫌な予感がするなぁ…」
誰にも悟られないように、彼女は呟いた。

          ***

登場人物
萌…前の話で出た「俺」の友達。

          ***

15時40分。
終業チャイムが鳴り、HR委員の掛け声が聞こえたのでそれに合わせて立ち上がろうとした刹那。
萌の全身を寒気が駆け抜けた。
すごく、嫌な予感がする。
しかも、たいていこのような予感は当たるから嫌だ。
テストとかの勘は当たらないくせに。
「…まぁいいか。」
萌は気にしないことにした。

16時過ぎ。
萌には特に何事も起こらず、無事に家に着いた。
「考えすぎ…かなぁ…?」
萌は家に入ろうとし、ふとあることを思い出す。
「あ、そうだ…。
鍵家ん中に忘れたんだった…。」
鍵を忘れた自分に軽く舌打ちし、裏口に回る。

そのちょっとあと。
家の中に入れた萌に再び寒気が襲った。
「熱でもあんのかな…」
心配になった萌は体温を測ることにした。
36度2分。
「うん、平熱☆」
安心した刹那、寒気が襲う。
「………。
やっぱ寝よう。そうしよう☆」
そう呟き、萌は2階の自分の部屋で眠りに堕ちた。

どれほど寝たろうか。
目を覚ました萌は時計を見る。
「大体18時10分か…
まぁまぁよく寝た☆」
言いながら、萌は体を起こす。
1階に下りて行くと、ニュースがついていた。
国道140号でひき逃げがあったとそのニュースは伝えている。
「酷い人もいるもんだねぇ…」
萌はその場にたまたまいた母に言った。
「名前よく聞いてなよ?」
母に言われて不思議に思い、問う。
「なんで?
知り合いでもあるまいし    」
言いかけて、ニュースをよく聞く。
『轢かれたのは星野一矢君≪仮名≫(15)で、頭部を強く打って即死…』
……は?
今、なんと…?
あまりの衝撃に、言葉を失う。
星野…一矢?
ヤツとはうごメモで親しい友人のようなものだった。
その、奴が…?
「お前、今年年賀状貰ってただろ?」
その言葉も耳に入らなかった。
認めたくなかった。
ヤツが、いなくなるなんて。
…そっか。
あの寒気は、ヤツが死ぬってことを予期した寒気だったんだ。
萌は後悔した。
萌は茫然ともした。
人生で何度目かの喪失感を経験する。
ボーっとして、思考が鈍化する。
そして萌は、気絶した。